見守りの現地確認を担う賃貸管理会社の担当者が、アパートの共用廊下で入居者の住戸を確認している写真イメージ(アイキャッチ)

見守りの「駆けつけ」は誰が担うのか|100戸で、現地確認は2か月に1件

見守りには、物流と同じ「ラストワンマイル」の問題があります。異変の兆候があったとき、最後に現地へ確認に行くのは誰か、という問題です。

「駆けつけサービスがないと、見守りは難しい」。本当にそうでしょうか。

デナリ・コネレーションに、駆けつけはありません。

それでも、単身高齢者が暮らす約150戸に導入している株式会社アミックス様において、8か月の運用の中で、現地訪問が必要になったのは、100戸あたり平均して約2か月に1件でした。この運用実績をもとに、誰が最後の現地確認を担うのがよいかを考えます。

このコラムの要点

  • 見守りのラストワンマイル(最後の現地確認)は、管理会社が管理業務の一環として担うのが、いちばん実効的
  • 大切なポイントは、アラート確認のすべてを、管理担当者に背負わせないこと
  • デナリ・コネレーションは、「孤独死の発見遅れを防ぐ」ためのサービスであり、救命を目的にしたものではありません

日伸貿易株式会社(デナリ・コネレーション提供元) 代表取締役 竹本 光伸  公開:2026年10月5日

見守りの現地確認を担う賃貸管理会社の担当者が、アパートの共用廊下で入居者の住戸を確認している写真イメージ(アイキャッチ)

「駆けつけはないんですか。駆けつけがないと、やっぱり……」

デナリ・コネレーションをご紹介すると、こうしたお声をいただきます。確かに、電話などで状況が確認できないとき、最終的に現地へ誰かが行くことは必要です。問題は、それが誰なのか、そして何件あるのか、です。

まず数字:アラートの大半は、現地に届く前に対応が完了する

対象は、アミックス様の管理物件のうち、現在稼働している約150戸です。すべて単身高齢入居者に設置されています。2025年末から2026年8月までの実績を、100戸あたり・月平均に換算すると、次のとおりです。

項目100戸あたり・月平均
デナリが確認したアラート約28件
管理会社への確認依頼約0.9件
管理会社による現地訪問約0.5件
誤検知による現地対応0件

管理会社への確認依頼に至ったのは、アラート全体の約3%。現地訪問は、100戸でおおむね2か月に1件です。

この数字が示しているのは、「駆けつけがいらない」ということではありません。一次確認で絞り込めば、駆けつけが必要になる場面は、これだけ少なくなるということです。

※戸数あたりの数字は、導入戸数が増えた期間の実績を換算した参考値です。100戸を固定して運用したという意味ではなく、物件・入居者・運用条件によって変わります。約150戸・約8か月・1社の実績で、現地訪問の件数が少ないため、月0.5件という数字は少しの違いで変動します。「誤検知による現地対応」とは、誤った異常判定によって管理会社が現地対応を行ったケースを指します。

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ある1か月の中身:2026年9月のアラート42件

当社の運用記録では、単身高齢入居者約150戸について、2026年9月(1日〜30日)のアラートは42件、アラートが出た住戸は26戸でした。確認の結果は、次のとおりです。

項目9月の実績(約150戸)
デナリが確認したアラート42件
管理会社への確認依頼1件
管理会社による現地訪問0件
誤検知による現地対応0件

42件のアラートのうち41件は、デナリ・コネレーションの側で一次確認が完了しました。管理会社に引き継いだのは1件で、その1件も、管理会社が緊急連絡先に確認したところ、旅行中と判明し、現地訪問には至りませんでした。

アラートが発報された理由の大半は、外出、旅行、ご家族のもとへの滞在、窓を開けた生活で、「異変」ではないと確認・判断できました。また事前連絡・申告のあった不在が7件ありました。さらに、アラートは同じ住戸に繰り返し出ることも多く(上位4戸で17件)、その場合は過去の対応履歴と波形などから生活パターンが分かるため、判断は速くなります。

見守りの専任オペレーターが、アラート発生後のデータの推移をモニターで確認している写真イメージ

「駆けつけまで付けてほしい」の背後にある不安

「駆けつけまで付けてほしい」。その背景にあるのは、見守りを入れると仕事が増えそうだ、というイメージではないでしょうか。拒否感の理由は、主に二つです。

  • 常にアラートにさらされることへの拒否感:通知が来るたびに、確認しなければならない
  • 業務負担が増えることへの不安:どれくらい出動があるのか、想像もできない

「駆けつけ」があれば、アラートを見て、現地へ行って、連絡までしてくれる。全部任せられる。そう考えるのは、自然なことです。

駆けつけがあっても、なぜ最後は管理会社なのか

現場に駆け付けた結果、異臭がする。応答がない。そのとき、次に電話が鳴るのは誰でしょうか。

外部の確認者は、ポスト、電気メーター、室外機、呼びかけへの反応、匂い、物音など、現地で気づくところまでは行けます。しかし、持ち帰れるのは外側の情報までです。その先の、入居者の緊急連絡先や保証人への連絡、オーナーへの報告、物件の調整は、管理会社に戻ってきます。警備会社に鍵を預け、契約に基づいて室内確認まで任せられるなら有力な選択肢ですが、亡くなっていた場合でも、オーナーへの連絡や物件の調整は管理会社に残ります。どの体制でも、結果を受けて動くのは、結局、管理会社です。

賃貸アパートのエントランスに並ぶ郵便受けと、共用廊下の様子の写真イメージ

万一、室内で亡くなっている方を発見した場合には、警察による現場確認や、発見時の状況についての事情聴取への対応が必要になります。また、事件性がないと判断されるまで、部屋への立ち入りが制限される場合もあります。

同時に、オーナーへの報告や、親族・緊急連絡先への連絡も進めなければなりません。

外部の駆けつけ担当者や警備会社が発見した場合でも、その後の対応には管理会社が持つ情報が必要です。そのため、まず管理会社への連絡と情報の引継ぎを挟むことになります。

入居者や関係者、物件についての情報を持つ管理会社が最初から現地確認を行えば、警察への説明と関係者への連絡をつなげやすくなります。発見後の対応まで考えると、管理会社が現地確認を行うことには、実務上の合理性があります。

それなら、最初から管理会社が対応できないでしょうか。

管理会社には、確認に行く前から、これだけのものが手元にあります。

  • 入居者の年齢、職業、家族構成
  • 緊急連絡先、保証人、親族、本人から共有があれば友人や行政の窓口
  • 担当物件への日常的な出入りと、物件への理解
  • オーナーとのつながり
  • 同じ建物の入居者とのつながり
  • 鍵の保管を含めた管理契約
鍵の保管庫の前で、入居者の緊急連絡先に電話する賃貸管理会社の担当者の写真イメージ

異常が疑われる場合の最終確認は、もともと管理業務の一部だと考えることができます。「ついでにやる仕事」ではありません。ただし、どこまでを担うかは、契約ごとに合意して定めるもので、安否確認の義務を意味するものではありません。

デナリ・コネレーションは、不安をどう解消するのか

常にアラートにさらされなくてもいい。 デナリ・ボッツ(CO₂センサー)は、室内のCO₂濃度を5分ごとに取得し、24時間変化が確認できないときにアラートを発報します。専任のオペレーターが、グラフ、不在情報、過去の対応履歴を確認し、必要に応じて本人へ電話します。管理会社には、それでも確認できないものだけを、確認できたことと、まだ分からないことを整理して引き継ぎます。

専任オペレーターが入居者へ電話で状況を確認している写真イメージ

どれくらいの業務負担になるのか。 アミックス様の場合、100戸あたりに換算すると、管理会社に確認依頼が回ってくるのは月約0.9件、実際に現地へ行く必要があるのは平均して約2か月に1件でした。

駆けつけを外部に任せても、その結果を受けたオーナーへの連絡や物件の調整は、管理会社に残ります。必要な現地訪問を絞り込み、自社で対応できる体制があるなら、物件と入居者を知る管理会社が、現地確認からその後の対応まで担う方法は実効的だと考えています。

導入前に確認していただきたいこと

「駆けつけがあるか」だけでなく、管理会社に、どんな仕事が、どれだけ残るのかまで見ていただきたいと思います。

  • 通知の確認や電話は、どこまで任せられるか
  • どの段階で、管理会社へ連絡が来るか
  • そのとき誰が動き、担当者が不在ならどうつなぐか
  • 鍵の保管と入室の条件は、契約や取り決めでどうなっているか(自社の契約と関係法令に照らして確認)
  • 入居者様の不在予定を、誰がどう共有するか
賃貸管理会社の担当者が、見守りの役割分担と対応手順を打ち合わせている写真イメージ

自社の管理体制なら、どこまで対応できそうか。どの部分をデナリに任せられるか。まずは、その役割分担から、ご相談ください。

このサービスが守るもの、守らないもの

デナリ・コネレーションは、孤独死の発見遅れを防ぐための仕組みです。生活の異変にいち早く気づいて、救える命を救う仕組みではありません。

デナリ・ボッツは、人の呼吸に伴う室内のCO₂濃度の変化を捉え、その変化が24時間確認できない場合に通知します。急病や事故を直ちに検知して救命につなげることを目的とせず、孤独死の発見遅れを防ぐために運用しています。

居室のコンセントに設置されたCO₂見守りセンサー「デナリ・ボッツ」の写真イメージ

人感センサーや、ポット・照明などの使用状況を見る方式は、「動いていない」「動けない」を早い段階で捉えられ、まだ命が助かる可能性のある段階で、異変に気づける場合があります。その代わり、生活のゆらぎを拾うため、外出や旅行、就寝リズムの変化でも通知が上がりやすく、確認の手間が増えます。その点、CO₂は入居者の特定の行動に依存しないという特徴があります。

見守りは、何が優れているかではなく、何を守りたいかで選ぶものです。

  • 発見が遅れることを防ぎ、オーナーや近隣への影響を抑えたい → 管理会社の対応が必要な通知が少なく、無理なく続けられる運用
  • 生活の異変に早く気づき、救命の可能性を高めたい → 早期に異変を捉える方式や、緊急通報などとの組み合わせ

管理物件が遠方にあり簡単に訪問できない場合や、求める対応時間を確保できない場合は、室内確認まで契約で任せられる警備会社などのサービスも、検討する必要があるかもしれません。デナリ・コネレーションができないことは、次のとおりです。

  • 専任スタッフによる確認は、365日・9時〜18時です(18時以降のアラートは翌日に対応)。急病や事故への緊急出動は行いません
  • 生命に関わる緊急性が疑われる場合は、通常の確認手順を待たず、119番等につなぐ対応が必要です
  • 異変の発生から通知までには、時間がかかります
  • CO₂のデータだけで安否を確定することはできません。窓を開けた生活など、変化が乏しくなる生活パターンでは、アラートが繰り返し出ることがあり、波形と対応履歴から人が判断しています
  • 機器の電源が抜かれている間は、見守りが機能しません。データが届かない状態を検知し、電話で確認しますが、確認までには時間がかかります
  • すべての異変の検知や、確認時間を保証するものではありません

よくある質問

Q. 見守りに駆けつけサービスは必須ですか。

必須ではないと考えています。管理会社が動ける体制があるなら、一次確認と組み合わせて、管理会社が現地確認を担う方法もあります。とはいえ、遠方の物件や、対応時間を確保できない場合は、外部の訪問サービスとの併用が有効になる場合もあります。

Q. アラートが出るたびに、管理会社が対応するのですか。

いいえ。デナリの専任オペレーターがまず確認し、必要な案件だけを引き継ぎます。

Q. 急病や事故の際は、駆けつけてもらえますか。

デナリは駆けつけを行わず、急病や事故への緊急出動は行いません。緊急性が疑われる場合は、119番等への通報が必要です。

Q. 管理会社はどこまで対応するのですか?

管理会社が担う確認・連絡・現地対応の範囲は、管理受託契約や見守りサービスの取り決めに応じて定めます。導入前に、誰がどこまで対応するかを明確にしておくことが大切です。

出典・集計について

  • 日伸貿易株式会社「不動産管理のパイオニア・アミックス、単身高齢者の受け入れ拡大に向け、日伸貿易が提供する、見守りBPOサービス『デナリ・コネレーション』を正式導入」2026年9月8日|掲載ページ
  • 2026年9月の集計:日伸貿易株式会社の運用記録(2026年9月1日〜30日)に基づく。分類は記録のメモ欄から日伸貿易が行った
  • 国土交通省「賃貸住宅標準管理受託契約書」(管理業務の範囲は協議・合意して定める。鍵の保管に関する規定を参照)|PDF
  • 神奈川県警察「警察が取り扱うご遺体に関する調査・検視などの手続について」(関係者への事情聴取、現場確認について参照)|掲載ページ

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